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あの偉大な作曲家が現代に現れたら!?その1 ベトさん

昨年10月から放送されているEテレアニメ。
クラシック音楽家たちが現代に目覚めたら、どんな事がおきるのか?
偉人、聖人として伝えられている彼らも、その伝記を追っていけば、めんどうな人、こまった人、とにかく普通じゃない人だったりする。
結果、毎日がはちゃめちゃな騒動が起きるストーリー。
各話ごとに、作曲家の過去の因縁やトラウマを取り上げ、さらに現在のミュージシャンがアレンジをして再現するという流れ。

実は、現在版のアレンジにはあまり興味がなかったのだけれど、布袋さん等の制作インタビューを見ると、それぞれの作曲家の心情にシンクロして、さらにその曲の持ち味をおいしく引き出したもので、一種の現在VS過去作曲家バトルのようにも思える。

ということで、ぼちぼちと感想を。

史実上のベートーベンについては、のだめの真似をしてベトベン先生と呼ばせてもらう。ややこしいが、アニメ中のベートーベンはベトさんと呼ぶ。音楽室に掲げられている目力の強いおじさんをアニメキャラにするときっとこんな感じ。

交響曲6番:
故障して動かなくなっていたパイプオルガン、人に操縦されるがままのクレーン車、それらがロボット化してバトル?と思いきや、ワルツを踊りだす様は、初見のときに「え?ロボットアニメ?意味不明!」というところからスタートした。布袋さんの力強いエレキサウンドと4ビートは、柔和で穏やかな田園交響曲第1楽章を骨太で力強く変化させていた。

クロイツェルソナタ:
布袋さんの演奏をみて、自分もエレキギターを鳴らしたくなったベトさん。この曲は田園よりも3年くらい前に書かれている。つまり運命よりも前の作品。かなり攻撃的というか、ヴァイオリンとピアノの掛け合いが、主旋律と伴奏という枠をとっぱらって、対等に演奏されるものとなっていて、聞いていてドキドキするくらいのもの。これを、エレキギターで「六弦の怪物」と呼ぶあたり、ベトベン先生を闘士としてとらえているのだろう。
私の中では、ベトベン先生は風のそよぎや小鳥の声に耳を傾けてそれを音楽にできる繊細でやさしいおじさんなんだけれどね。

皇帝:
皇帝ペンギンボナパルトは、ちょっと悲しい。でも、自由のために革命を起こした男が皇帝になってしまった。せっかく彼のために曲を作ったベトベン先生のやるせないナポレオンへの怒りの記憶が、皇帝ペンギンボナパルトを作ったのだとしたら、それはもうものすごいアイロニーだと思うのだ。バイコルヌをかぶった皇帝ペンギンの絵たるや、ピアノ協奏曲5番に込められたベトベン先生の革命家への賛辞とそれを裏切られた絶望の超解釈として笑うしかない。
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そういえば、長らく廃盤だった映画が復刻していた。
史実と異なるところもあるものの、ベートーベンの死後、弟子兼秘書のシンドラーが不滅の恋人を探すもの。ゲイリー・オールドマンが内面に持つ狂性を滲ませつつ情熱的で偏屈なベートーベンを公演している。私の中ではこの人がもっともはまり役だと思った。
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by pimam2006 | 2017-01-21 15:46 | クラシカロイド

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